4. 切手に関する本

スタンリー・ギボンズのカタログでは見つけることのできない、切手の歴史や製法、コレクターの物語などを教えてくれる本たち。

ここでは、参考にしている書籍を年代順に紹介します。英語の本は読み通したものが少なくページを繰って図録を見ているだけですが、、、。

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1980年刊  “Royal Mail Stamps”
– a survey of British stamp design
Stuart Rose 著 / Phaidon Press, London

著者自身がグラフィックデザイナーであり、切手の発行にディレクターとして関わった経験から書かれたイギリスの切手デザインの1980年時点での記録。切手の発行にかかってくる政治的なプレッシャーや、印刷技術の発展などが語られ、採用されなかったデザイン案やスケッチも紹介されて面白いです。ケーススタディーでは、予算や限られた制作期間内でデザイナーがどんなプロセスを経て名作と言われる切手を完成させたか、というエピソードもあります。

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1987年刊 『紋章の切手』
– 切手で綴る紋章史話
森護 著 /大修館書店

西洋の紋章学と英国の王室史を専攻とする著者が、国が発行する正しい紋章の宝庫として集めた切手を紹介しながら、紋章の構成やその発展の歴史、切手からうかがえる各国の紋章の特徴やその扱われ方などを丁寧に解説してくれる、マニアにはたまらない本です。王家間の結婚で4分割や6分割と複雑になった紋章から読みとるヨーロッパの歴史、その植民地に渡ってさまざまに変化した紋章、社会主義国だったころにも頻繁に切手に登場した東欧圏の紋章など、幅広く紹介されています。

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1997EN01

1997年刊  “Bicycle Stamps”
– bikes and cycling on the world’s postage stamps
Dan Gindling 著 / Motorbooks International, Osceola USA

1997年の時点で、自転車の描かれている世界中の切手をリストアップした本。図版も450点以上あり、持っている自転車の切手についていろいろ学び、切手の傾向や分類の仕方にも影響を受けました。世界にはデザインの良くない多数の自転車切手が存在することもこの本で知り、美的アンテナに触れないものは買うのはやめよう、と決心する手助けをしてくれたのでした。

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1999年刊  “Collecting Stamps”
HarperCollins Publishers 編 / Glasgow UK

「切手収集は趣味の中の王者であり、王族の趣味でもある」という一文から始まります。小さな本ですが、専門用語や切手の各部分の名称、同定や鑑定のこと、いろいろな収集テーマ設定、ロシア系やギリシャ系文字の一覧表まで、入門者に役立つことがひととおり網羅されています。英語で書かれた本で、ここまでしっかり読み込んだのは初めてかも、、というほど、ひんぱんに使っている本。

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2003年刊『数学の切手コレクション』
– 切手で知ろうシリーズ 8
ロビン J. ウィルソン 著 / 熊原啓作 訳
シュプリンガー・フェアラーク東京

アメリカの専門誌「マセマティカル・インテリジェンサー」に1984年から連載された記事が本になった翻訳書です。数学切手の収集家を「philamath」と呼ぶことや、数学の歴史や成果やいろいろな時点での最新思考が切手になって発行されているのですね。数学記号のグラフィック的存在と、アインシュタインを筆頭とする数学者の肖像が国家元首や政治家よりも個性があって面白い、ということがこの系列の切手のデザインを楽しくしているような。

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2010年刊『切手が伝える暦と時計の世界史』
– 切手で知ろうシリーズ 8
串田均 著 / 彩流社

時計という存在と切手の相性が良いのだな、とこの本を手に取ると思います。虫めがねを片手にじっくり見入りたい切手がたくさん掲載されています。セイコーに勤めながら時計と「時」に関する世界の切手を永年にわたり集めた著者の、哲学者や環境問題にまで至る興味の幅広さも楽しい一冊です。細やかな凹版印刷で再現された時計の内部や歯車から、洋の東西で発達したさまざまな時の計り方、砂時計という名前のイルカやトケイソウの切手まで。

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2010年刊『切手帖とピンセット』
– 1960年代グラフィック切手蒐集の愉しみ
加藤郁美 著 / 国書刊行会

著者と共通の友人がいたことから、プレゼントとして贈られて手元に届きました。美奈子さん、ほんとうにありがとう♡

北欧の凹版切手の紹介から始まるこの本は、わたしの興味の範囲と重なる部分が多く、切手の制作にまつわる楽しい話がたくさんあって心おどります。島崎信さ ん、荒俣宏さん、柏木博さんなどそうそうたるメンバーがコラムを寄せていて、小さな切手の中だけにとどまらない社会とデザインの関わりについて、たくさん学べます。

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2010年6月刊『おうちで日本美術館』
田辺龍太 著 / 日本郵趣出版

日本でたくさん発行されている美術作品の切手の、出典絵巻や原画の収蔵博物館、画家の歴史や屏風の鑑賞法なども解説され、読み応えがあります。印刷やトリミングなどの切手制作のことも面白い。ただ、表紙の装丁と木下綾乃さんのイラストが良いのに、中のレイアウトや写真のうるさい背景、額縁やグッズのダサさにがっくり、、。コレクターのデザイン意識の高さを知って欲しいものです。

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